社内恋愛狂想曲
「二次会、最後まで持たなかったらすみません……」

「そんな無理しなくても、帰りたくなったら帰ればいいよ。付き合いより自分の体大事にしな」

有田課長はビールを飲みながら宙を見上げて何かを考えているようだ。

「そうだ、今のうちに席替えしよう。三島課長と瀧内の席を入れ替えて……伊藤と木村さんも交替して」

有田課長の提案通り急いで席替えをして、三島課長は私の隣に座った。

「大丈夫ですか?」

「なんとか……。でも志織の隣にいれば大丈夫」

三島課長は小声でそう言って、テーブルの下で私の手を握る。

その手は冷たく、少し震えていた。

「ごめん……ちょっとだけこうさせて」

「いいですよ。それで落ち着くならいくらでも」

私が笑って手を握り返すと、三島課長も微かに笑みを浮かべた。

「志織がずっと俺のそばにいてくれたらな……」

三島課長がうつむいて呟いた。

「……え?」

えーっと……それは私が隣にいれば苦手な女性から守ってもらえそうとか、もし女性に触られて具合が悪くなってもすぐに回復するとか、そういう意味だろうか?

「三島課長、かわいそうに……相当参ってるんですね……」

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