社内恋愛狂想曲
「え?あー……いや、そうだけどそうじゃなくて……」

三島課長が何かを言いかけたとき、下坂課長補佐が両手にウーロン茶を持って戻ってきた。

「あら?席替えしちゃったんですか?」

下坂課長補佐は席の配置を見て、少し不服そうな顔をした。

三島課長が私の隣に座っていることが面白くないのだろう。

「みんな下坂課長補佐ともっと話したいんですよ。三島課長とはいつも一緒なんだから、少しくらいいいでしょう?」

瀧内くんが笑顔でそう言うと、下坂課長補佐はまんざらでもなさそうな笑みを浮かべて、三島課長に近付いてくる。

三島課長は慌てて私の手を離した。

「はい、ウーロン茶」

下坂課長は三島課長の横に立ってウーロン茶を手渡し、空いたその手で三島課長の肩に触れた。

三島課長はまた息を止めて体をこわばらせている。

ほんの少し触られただけでこんな風になってしまうのだから、会社では私の想像を超えるくらいに気を張って耐えていたのだと思う。

下坂課長補佐がそばを離れると、私は三島課長の手を強く握った。

「大丈夫ですよ、三島課長。私がついてます。ゆっくり息をしてください」

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