社内恋愛狂想曲
「あー、なるほど。下坂課長補佐の好きな人はそういう人なんだ。そういえば三島課長は浮いた噂がないね。好きな女性のタイプとかあるの?」
有田課長が三島課長の方を見ながら尋ねた。
下坂課長補佐はハンターのような目をして三島課長を見つめている。
「俺は……頑張り屋で裏表がなくて、いつも自分より人の心配ばかりしていて、料理が上手で、すごく鈍感だけど自然に人を気遣える優しい人が好きです」
好きなタイプというと“優しい”とか“かわいい”とか“笑顔が素敵”とか大雑把なものだと思っていたけど、三島課長の好みのタイプはずいぶん具体的だ。
それに鈍感な人が好きなんて珍しい。
……いや、待てよ。
よく考えたら今は“偽婚約者作戦”の真っ最中なのだから、「好きなタイプは?」と聞かれたら偽婚約者の私の話をするはずだ。
ということは、もしかしてこれは私のことを言っている?
私ってそんなに鈍感なのか……?
どこからどこまでが芝居なのか、もしかすると全部が芝居なのかはわからないけれど、三島課長は私のことをそんな風に思っているらしい。
これが本心なら“すごく鈍感”以外は嬉しいのだけど、三島課長には好きな人がいるのだと思うと少し落ち込む。
有田課長が三島課長の方を見ながら尋ねた。
下坂課長補佐はハンターのような目をして三島課長を見つめている。
「俺は……頑張り屋で裏表がなくて、いつも自分より人の心配ばかりしていて、料理が上手で、すごく鈍感だけど自然に人を気遣える優しい人が好きです」
好きなタイプというと“優しい”とか“かわいい”とか“笑顔が素敵”とか大雑把なものだと思っていたけど、三島課長の好みのタイプはずいぶん具体的だ。
それに鈍感な人が好きなんて珍しい。
……いや、待てよ。
よく考えたら今は“偽婚約者作戦”の真っ最中なのだから、「好きなタイプは?」と聞かれたら偽婚約者の私の話をするはずだ。
ということは、もしかしてこれは私のことを言っている?
私ってそんなに鈍感なのか……?
どこからどこまでが芝居なのか、もしかすると全部が芝居なのかはわからないけれど、三島課長は私のことをそんな風に思っているらしい。
これが本心なら“すごく鈍感”以外は嬉しいのだけど、三島課長には好きな人がいるのだと思うと少し落ち込む。