社内恋愛狂想曲
「そうなんです、まさに超絶いい人…………えっ?!」

偽婚約者作戦のことは有田課長には話していないのに、まさか今ので三島課長のことだと気付かれた?!

有田課長は楽しそうに笑いながら目の前の枝豆に手を伸ばした。

やっぱりこの人は侮れない。

今の私の言葉を聞いた三島課長本人はどう思っているのだろうと、横目でそっと様子を窺うと、三島課長は険しい顔をしてウーロン茶のグラスを握りしめていた。

……偽婚約者の芝居ではなく、今のが私の本心だって気付いてない……?

おそらくそれどころじゃないのだろう。

ホッとして顔を上げると、瀧内くんが私の方をチラッと見てニヤッと笑った。

あっ……これはきっと、瀧内くんが仕掛ける合図だ。

瀧内くんは右の口角を上げて、身震いするような冷たい笑みを浮かべている。

「下坂課長補佐、僕の話も聞いてもらえます?」

「なあに、また恋愛相談?」

「僕、1年半くらい付き合ってる5つ歳下の彼女がいるんですけど……最近親が早く所帯を持てってうるさいんです。でも彼女はまだ若いし、お金遣いが荒くて人付き合いのルーズな彼女との結婚はちょっと考えられなくて」

「あら、そうなの?」

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