社内恋愛狂想曲
とにかく恥ずかしい……。

いや、それ以前に、潤さんが我慢しようとしているのに、私が無理に迫っていたようで、それが余計に恥ずかしい。

「志織……?」

「恥ずかしいから見ないでください。はしたないとか思ってるんでしょ?」

顔を覆ったままうつむくと、潤さんはおかしそうに笑いながら私を抱きしめた。

「はしたないなんて思わないよ。かわいいなぁ……。今夜は一緒にいられるだけでいいって思ってたけど……やっぱり我慢するの無理かも」

「えっ?いや、だってさっき……」

「うん。だからちょっとだけ時間くれる?」


それから潤さんは私に、「ちょっと出てくるから、良かったらその間にシャワー使って」と言って外出した。

シャワー使ってと言われたって、着替えもメイク落としも基礎化粧品も持っていない。

それにまだ潤さんの前で素顔をさらすのは抵抗がある。

どうするべきかと悩みながらウロウロしている間に、潤さんが帰ってきた。

てっきりコンビニにでも例のブツを調達に行ったのかと思っていたのに、潤さんは手ぶらだった。

「あれ?シャワー浴びなかったの?」

「お借りしようかと思ったんですけど……着替えとか化粧品とか、なんの準備もないのは私も同じでして……」

「あっ、そうか……」

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