社内恋愛狂想曲
潤さんは洗面台の下の引き出しを開けて何かを確認すると、「ああ、やっぱり」と呟いた。

「近所に24時間営業のドラッグストアがあるから、買い物に行こう」

「えっ、今からですか?」

「歯ブラシの買い置きがなかったような気がしてたんだ。歯も磨けないなんていやだろうからコンビニに買いに行こうと思って財布取りに戻ったんだけど、ついでだからシャンプーとか化粧品とか、志織が泊まるのに必要なもの買いに行こう」

歯ブラシの心配をして戻って来たと潤さんは言うけれど、それでは今までどこで何をしていたのかが気になる。

潤さんはリビングで鞄から財布を取り出し、私の手を引いて家を出た。

それから歩いて5分ほどでドラッグストアに着き、シャンプーや洗顔料、化粧品など必要なものをあれこれとかごにいれた。

ドラッグストアというのは便利なもので、薬や衛生用品だけでなく、日用品に食料品、お酒、そして種類は少ないけれど下着まで売っている。

その中から自分に合うサイズのものをひとつ選び、下の方に隠すようにしてかごに入れた。

潤さんはコーヒーと牛乳と台所用洗剤が切れかけていると言って別の売り場に行っているので、隣で見られているわけではないけれど、一緒に来て下着を買うのはなんとなく恥ずかしい。

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