社内恋愛狂想曲
確かさっきまで潤さんの家で、お互いの気持ちを伝え合っていい感じだったはずなのに、現実はドラマや映画のように甘くはないようだ。

ドラッグストアを出たあと、潤さんが私の重い荷物を持ってくれたので、私も潤さんの荷物を持とうとしたけれど、それはいいと言って断られた。

私だけ手ぶらで歩くのは申し訳ないと言うと、潤さんは荷物を片方の手にまとめて持ち、空いた方の手で私の手を握る。

「これからは遠慮なく手を繋いで歩けるな」

潤さんがあんまり嬉しそうに笑うので、私まで嬉しくなって腕にしがみつくと、潤さんは一瞬驚いた顔をしたあと、うつむいてしまった。

「あれ……どうかしました?」

「いや……ちょっとな……」

潤さんはしどろもどろになりながら、困った顔をして答えた。

もしかして相手が彼女だとしても、女性から積極的に触られたり迫られたりするのは苦手なんだろうか。

「ごめんなさい、くっつかれるのはきらいなんですよね」

私が手を離そうとすると、潤さんは慌てて首を横に振った。

「志織にくっつかれるのは全然きらいじゃないよ!きらいじゃないどころか、むしろ嬉しいんだけど……志織とこんな風になりたいってずっと思ってたのに、いざ現実となるといろいろリアル過ぎて戸惑ってる。ちょっと照れくさいし、ドキドキするし……」

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