社内恋愛狂想曲
そうなってもいいように調達に行ったんだと思っていた自分が恥ずかしい。

頭を冷やした方がいいのは私の方かも知れない。

「潤さん、いい人過ぎ……」

心の声が思わず口からこぼれ落ちた。

それを聞いた潤さんは顔をしかめる。

「あんまりいい人って言われるのも考えもんだな……」

「どうして?」

「いい人そうに見えても、頭の中では何考えてるかわからないってこと。俺も男だから、いつ豹変して襲いかかるかも知れない」

今までは潤さんの優しいところとか、いつも人を気遣っているところばかり見てきた。

だけど潤さんには私の知らない一面があるということだ。

なるほど……それはちょっと見てみたい。

「だったら潤さんは私に襲いかかるつもりがないから頭を冷やしていたということですか?」

「まぁ、そういうことになるな。お互いに好きだってわかったからって、いきなりがっつかれたら志織もいやだろうし……やっぱり好きだから大事にしたいし……」

「じゃあ結局準備はしなかったんですね。残念です」

私の肩を抱いていた潤さんの手に少し力がこもるのがわかった。

「残念って……」

「理性では抑えきれなくなるくらい激しく求められたいという願望は私にもあります。女ですから」

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