社内恋愛狂想曲
しまった、墓穴を掘ってしまったようだ。

だけど私は好きな人の写真を部屋に飾ってうっとりするような、かわいい性格ではない。

「そんなのはないと思いますよ。私、彼氏の写真を飾ったりするタイプではないので」

クローゼットを開けて服を選びながらそう言うと、潤さんはカーペットの上に腰を下ろしてクッションを手に取った。

「俺は志織が営業部にいたときに一緒に撮った写真、今も部屋に飾ってるけど」

「えっ、ホントに?!」

「ツーショットじゃないけどな。俺と志織と志岐と木村と……あと何人か。でも俺の隣で志織が笑って写ってるのが嬉しくて、リビングにずっと飾ってる」

あの家のリビングには何度もお邪魔しているのに、それにはまったく気付かなかった。

私が営業部から商品管理部に異動したのは3年半も前だ。

一体いつ撮った写真だろう?

「それって……いつ撮った写真?」

「志織たちが入社した年の夏だな。納涼会で撮った」

私が入社した年の夏ということは、もう6年以上も前になる。

その頃の私はまだ今より少し顔がふっくらしていて、髪が短かった。

そんな若かった頃の私の写真を、潤さんが今でも毎日目にしているのかと思うとかなり恥ずかしい。

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