社内恋愛狂想曲
この歳までずっと“かわいげがない”と言われ続けた私のことを、飽きもせずに“かわいい”と言い続ける潤さんは、相当の物好きだ。

潤さんは私にそんな風に思われているとも知らず、とろけそうな目で私を眺めて頬にキスをした。

「志織、早く一緒に暮らそうよ。俺んとこおいで」

さすがの私もこれには面喰らってしまった。

私も潤さんとは早く一緒に暮らしたいなと思うし、そう言ってくれるのは本当に嬉しいとは思う。

だけど私たちが付き合い始めてから、今日でまだ3日目だ。

これはいくらなんでも早すぎやしないか?

「いきなり……?」

「うちに住めばこのマンションの家賃は払わなくて良くなるし、会社は近いし、それになんといっても、仕事が忙しくて帰りが遅くなったって、家に帰れば一緒にいられる」

「うん……まぁ、そうなんだけど……」

確かに潤さんの家に引っ越せば、私にとっては損なことがないどころか、いいことだらけだ。

だけどやっぱり、もう少しゆっくり話を進めたいと思う私は慎重すぎるんだろうか。

私が返事に困っていると、潤さんは私の気持ちを察したらしく、少し笑ってもう一度頬に口付けた。

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