社内恋愛狂想曲
「うーん……彼と結婚したいというよりは、ただ単に年齢的に結婚がしたいなと思ってただけなのかな……。ちなみに両親に紹介するのは潤さんが初めてです」

私がそう言うと、潤さんは端から見てもハッキリとわかるくらいに口元をゆるめた。

私にとっても潤さんは特別な人だということがわかってもらえたようだ。

「そうだ……。ご両親に手土産を持って行きたいんだけど、何がいいかな?やっぱり甘いものとか……」

「二人とも和菓子が好きですよ。特に好きなのはつぶ餡のたっぷり入ったお菓子ですね」

時計を見ると、そろそろお店も開店する時間だ。

実家に着くまでの道のりで、どこか良さそうな和菓子屋さんはあるだろうか。

「和菓子か……。そういえばもう少し行ったところに、栗饅頭と大福が美味しいって評判の店があるって言ってたな」

「誰が?」

「取引先の社長。すごい甘党で、あの店の何が美味しいとか教えてくれるんだ」

さすが仕事のできる営業マンは情報網が広い。

それになんと言っても潤さんは、人柄の良さと仕事の早さと丁寧さで、取引先の社長や担当者からとても好かれている。

私が営業部で潤さんの事務の担当をしていたときには、あまりの仕事量に驚いたほどだ。

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