社内恋愛狂想曲
車に乗ってからは、二人とも黙りこんだままだった。
しばらくすると、重苦しい沈黙をかき消そうとしたのか、潤さんはカーステレオの音量を少し上げて音楽を流した。
その曲にはなんとなく聞き覚えがある。
確か私がまだ新入社員だった頃に流行っていた、片想いの切なさを歌ったラブソングだ。
あの頃は潤さんと伊藤くんと葉月と一緒によく飲みに行っていて、そのあとカラオケに行くと潤さんが必ずこの歌を歌っていた。
潤さんがやけに心を込めて歌うので、感動して葉月と一緒に目を潤ませながら聴いたこともある。
「志織、この歌覚えてる?」
「うん……潤さんがいつも歌ってた……」
「そう。志織に聴いて欲しくて……俺の気持ちに気付いてって思いながら歌ってた。全然気付いてもらえなかったけどな」
「そうなんだ……。ごめんなさい、全然気付けなくて……」
カーステレオからは、片想いの相手に伝えられないたった一言の言葉を何度も心の中で叫ぶたび、切なさに胸を焦がしていると歌う声が流れる。
「ずっと……ずっと好きだった、志織のこと」
「うん……」
しばらくすると、重苦しい沈黙をかき消そうとしたのか、潤さんはカーステレオの音量を少し上げて音楽を流した。
その曲にはなんとなく聞き覚えがある。
確か私がまだ新入社員だった頃に流行っていた、片想いの切なさを歌ったラブソングだ。
あの頃は潤さんと伊藤くんと葉月と一緒によく飲みに行っていて、そのあとカラオケに行くと潤さんが必ずこの歌を歌っていた。
潤さんがやけに心を込めて歌うので、感動して葉月と一緒に目を潤ませながら聴いたこともある。
「志織、この歌覚えてる?」
「うん……潤さんがいつも歌ってた……」
「そう。志織に聴いて欲しくて……俺の気持ちに気付いてって思いながら歌ってた。全然気付いてもらえなかったけどな」
「そうなんだ……。ごめんなさい、全然気付けなくて……」
カーステレオからは、片想いの相手に伝えられないたった一言の言葉を何度も心の中で叫ぶたび、切なさに胸を焦がしていると歌う声が流れる。
「ずっと……ずっと好きだった、志織のこと」
「うん……」