社内恋愛狂想曲
「今はあの頃より、もっともっと好きだ。だから俺は……志織を離したくない。一生かけて志織を愛したいし、守りたい」

「うん……」

潤さんのまっすぐな気持ちが胸に染みて、涙が溢れてこぼれ落ちた。

潤さんは前を向いて右手でハンドルを握りながら、左手でポケットから取り出したハンカチを私に差し出す。

「ごめん……すごく抱きしめたいけど……今は運転中だから、これくらいしかできないな……」

「……ありがとう……」

私は差し出されたハンカチを受け取って涙を拭う。

潤さんは赤信号で車を停めると、左手でそっと私の頭を撫でた。

「志織……怒ってる?」

「怒ってないけど……びっくりして、どうすればいいのかわからなくなったの」

「ごめんな……。せっかく、やっとの思いで志織に手が届いたのに、親父の会社のこととか、祖母のことなんかいっぺんに話したら逃げられちゃうんじゃないかって思うと、怖くて言えなかった。でもどっちにしても驚かせたよな……」

私は何も言えず、うつむいて両手でシートベルトを握りしめた。

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