社内恋愛狂想曲
しかたなくそのまま受診したのだけど、病院は大変混雑していて、順番が来るまでに1時間半ほど待たされたそうだ。

診察後も薬をもらうまでに長い間待たされ、足と腰を痛めた父はひとりで歩くこともままならず、兄に迎えに来てもらって家に帰りつく頃にはすっかり夜になっていたと母は言った。

家に帰って15分ほど経った頃にこちらの病院から電話がかかってきて、私が事故にあって搬送されたと知らせを受けたらしい。

そして母は携帯ショップに行く暇もないから今も携帯は壊れたままだとぼやいた。

それはいくら電話しても繋がらないはずだ。

なんというタイミングの悪さだろう。

「お父さんのギックリ腰と捻挫、かなりひどくてね、ひとりで動けないのよ。今日はたまたまお兄ちゃんが仕事が休みだったから家に来て付き添ってくれてるんだけど、すぐには治りそうもないし、治ったあともまた急にギックリ腰再発ってことも考えられるから、私がこっちで志織に付きっきりというわけにもいかないの。うちに帰ってくれば面倒見てあげられるんだけど」

腕を骨折しただけだから会社に行ってある程度の仕事はできるので、労災の休業補償を受けるのは難しいだろうし、何日かは有給を使って休んだとしても、あまり長く休むのは職場に迷惑がかかるので、来週には復帰するつもりでいる。

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