社内恋愛狂想曲
潤さんが事故で怪我をして入院していることも、結婚するつもりだということも、両親には報告してあることだし、ここは潤さんの言う通りにするのが一番丸くおさまるのかも知れない。

「私ももういい大人だし、潤さんとは結婚するつもりだって言ってあるから、一緒に暮らすこと自体は親は反対したりしないだろうけど……引っ越しは私自身がちゃんとしたいから、いろいろ落ち着いてからにするとして……とりあえず、怪我が治るまではそうさせてもらおうかな……」

「それがいい!そうしよう!」

伊藤くんはそう言って嬉しそうに笑っている。

葉月は少々呆れ気味な様子だけど、きっとホッとしていることだろう。

「じゃあ荷物の準備もありますし、そろそろ帰りましょうか」

発案者の瀧内くんが腕時計を見ながらそう言うと、潤さんは少し寂しそうな顔をした。

「もう帰るのか?」

「買い物もありますからね。そんなに寂しがらなくても志織さんとは明日から一緒に暮らせるんだから、少しぐらい我慢してください。あっ、退院すると言ってもお互いまだ怪我が治ったわけじゃないんですから、ちゃんと自制してくださいね」

瀧内くんに真顔でそう言われ、私と潤さんは赤面しながら絶句してしまう。

伊藤くんと葉月は吹き出しそうになるのを必死でこらえている。

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