社内恋愛狂想曲
「それもそうやな。手伝うことがあったら遠慮せんとなんでも言うてや」

ここでもまた当事者の私を差し置いて話が進む。

それだけみんなが私のことを心配してくれているのだと思うと、とてもありがたい。

いい友達を持った私は本当に幸せ者だ。



その夜、葉月の部屋に戻って簡単に荷造りを済ませてから、母に電話をかけた。

明日潤さんが退院することや、怪我が治るまで潤さんの家で二人まとめて葉月たちのお世話になろうとしていたこと、そこにマンションの火災が起こったので借りている部屋を解約して潤さんの家へ引っ越そうと決めたことを話すと、母は反対するどころか、「この際だから籍も入れちゃえば?」とのたまった。

この母はどれだけせっかちなんだ。

反対されるのも困るけど、娘の結婚をそんなに軽く許可していいのか?

実家に挨拶に行ったときは“今はまだダメだ”と言っていた父からも改めて了承を得たいし、潤さんのご両親にはきちんとした挨拶すらしていない。

そういうところは筋を通すのが大人というものでは?

「それはいくらなんでも急すぎるよ……」

「どうして?一緒に住むならその方が何かと都合がいいでしょ?」

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