社内恋愛狂想曲
「えっ、だって葉月もいるし……」

ダメ、と言おうとすると潤さんは私の唇を唇でふさいで言葉を遮る。

ほんの一瞬とはいえ、他の人がいるのにキスするなんて、もし見られたらと思うと恥ずかしくて全身が急激に熱くなった。

「志織、顔真っ赤」

「だって潤さんが……!」

まじまじと見られると余計に恥ずかしくなって、熱くなった右の頬を右手で押さえた。

左手が使えたら両手で顔を隠せるのに。

潤さんは満足そうに私を抱き寄せて頭を撫でる。

「やっぱかわいいなぁ……」

そう言いながら潤さんが私の真っ赤になった頬に口付けた瞬間、リビングの入り口から「あーっ!」と大きな声が聞こえた。

「潤くんと佐野がいちゃついてるー!」

伊藤くんの大声に驚き、私たちは慌てて離れた。

「志岐くん、邪魔するのは無粋ってもんですよ。仲がいいのはいいことじゃないですか」

瀧内くんは冷静に伊藤くんをたしなめる。

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