社内恋愛狂想曲
それに続き「いてっ」と叫ぶ伊藤くんの声、それを「なにやってんねん!」とたしなめる葉月の声、そして瀧内くんの「あーあ」というため息混じりの声が聞こえてくる。

またしても見られた……!

そしてきっとバカな会話を聞かれていた……!!

この上なく恥ずかしい……。

今すぐこの場から消え去りたい……!

潤さんはリビングの入り口の方を振り返って、大きく長いため息をついた。

「おまえらそこにいるのはもうバレてるんだから、隠れてないで出てこい」

潤さんがゲンナリした声でそう言うと、3人はリビングの入り口からそーっと顔を出した。

「いつからそこにいた?」

「今だよ、今!ずっとこっそり見てたとかそんなんじゃないから、俺は!」

伊藤くんは慌てて言い訳をしたけれど、潤さんは怪訝な顔をして首をかしげる。

「そのわりにドアを開ける音も廊下を歩く音も、階段を下りる音も聞こえなかったけどなぁ……。おまえらは忍者か?」

潤さんは指であごをさすりながら、3人に冷たい眼差しを向ける。

「目が覚めたら潤さんがいなかったので、もしかしたらと思って邪魔しないようにそっと」

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