社内恋愛狂想曲
「クリーニングに出せば少しはましになるかな?」

「どうやろなぁ……。この際やから買いかえるのもアリやと思うで。これから結婚するのに、きなくさい服やら持って行くって、なんかゲンが悪いやろ?」

「うーん……そう言われるとそんな気もする……」

どちらにしても潤さんの家に引っ越せば、家具や寝具、家電製品などは必要なくなるので、処分するつもりでいた。

しかししまってある衣類は大丈夫だろうと思っていたので、私の火事に対する認識は甘かったと言える。

「どうする?とりあえず貴重品とか大事なものだけ運ぶか?」

「貴重品ってほどのものは特にないんだけどね……。どうしても取っておきたいもの以外は処分する方向でいこうかな……」

しかしどうしても取っておきたいほど大事なものなんてあっただろうか?

元々荷物が少ないので、衣類や寝具、家具家電を除けばたいしたものは残っていないだろう。

部屋の中を何気なく見ていると、キッチンカウンターの端の方に、いつだったかのクリスマスに護がくれたスノードームが置かれていた。

その存在すら忘れられていたスノードームは、少し埃をかぶっている。

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