社内恋愛狂想曲
「元々二人とも器用で要領はいいから、教えてやればちゃんとできるんだ。木村も簡単なことから少しずつでいいから、料理とか家事のやり方を教えてやって」

「わかりました。三島課長って、ホンマええお父さんになりそうですねぇ」

葉月にそう言われると、潤さんは少し照れくさそうに笑う。

「そう言う木村はバリバリのオカンになるんだろ」

「当たり前ですやん。ほな、オカンもごはんの支度しますわ」

「よろしく」

葉月もキッチンへ行って昼食の支度を始めた。

私も何か手伝おうと思ったけれど、キッチンに行くとかえって邪魔してしまいそうなので、おとなしく座って待っておくことにした。

その間に潤さんに、月曜日に荷物を運び出してもらってマンションを引き払うことを話す。

そして瀧内くんから聞いた潤さんのお父さんが年明けから海外へ行くことを話そうとすると、部屋にチャイムの音が鳴り響いた。

「僕、出てきます」

瀧内くんはキッチンを出て玄関に向かう。

「誰かな」

来客の予定はなかったようで、潤さんが首をかしげていると、応対するために玄関に行った瀧内くんが、リビングにお客さんを二人連れて戻ってきた。

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