社内恋愛狂想曲
なんと古風な考え方だ。

それに私はもういい歳をした大人だし、お嬢さんと言われるほどの箱入りでもない。

もっと言えば、一緒に暮らすことに関しては両親からの許しは得ているのだから、ひとつも申し訳なくなんてないのだけど。

「あのー、それでしたら……両親には潤さんと一緒に暮らすことになった経緯は説明してあるんですけど……怪我が治ったら改めてご挨拶に伺って、私の両親とも会っていただいてから、結婚の話を進めようかと相談していたんです」

私がおそるおそる口を開くと、潤さんのお父さんは突然立ち上がった。

怒られるのかと思ってビクッと肩が跳ね上がる。

「よし、じゃあ今から行こう!」

「…………え?」

潤さんはお父さんを見上げ、その勢いに圧倒されてポカンとしている。

「これから志織さんのご両親にご挨拶に行こう!」

「はあぁぁ?!」

お父さんのあまりの唐突さに面食らった潤さんが大声をあげた。

私は驚きのあまり言葉も出ない。

「思い立ったらすぐ行動!よし行こう、今すぐ!」

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