社内恋愛狂想曲
とりあえず昼食がまだだったので、少し待ってもらって急いで食事を済ませ、出かける支度をした。

伊藤くんたちに後片付けと戸締まりを任せ、慌ただしく家を出て、潤さんのお父さんの車で実家へ向かう。

途中で潤さんは父の好きな和菓子を買い、潤さんのお父さんはその少し先にあるお店で高級な緑茶の茶葉を買っていた。

普段はなかなか口にすることのないような高級なお茶をいただいたら、日本茶好きなうちの両親は大喜びすることだろう。

潤さんの道案内で私の実家に着いた頃には、時刻は午後5時になろうとしていた。

実家に着くまで潤さんは口数も少なく、何か考え込んでいる様子だった。

心の準備もできないまま、思っていたよりずっと私の両親との再会が早まってしまったからかも知れない。

だけど前に来たときとは違って、潤さんには焦りやごまかしもなく、私のことを心から信頼してくれていると思う。

お互いを誰よりも必要としているし、二人なら何があっても大丈夫だと思えたから、私も潤さんとの結婚を前向きに考えられるようになった。

その気持ちを潤さんと二人できちんと両親に伝え、父からも結婚の許しを得たい。

車から降りると、潤さんは少し強ばった表情で、ひとつ大きく深呼吸をした。

二度目とはいえ、やはり緊張しているようだ。

< 866 / 1,001 >

この作品をシェア

pagetop