社内恋愛狂想曲
「髪はどうすればいい?」

美容師でもないのに洗い終わった髪をどうするのかまで気にしてくれる男性なんて、なかなかいないと思う。

潤さんのこういうさりげない気遣いができるところがとても好きだ。

「ねじり上げて、このヘアクリップではさむの」

ヘアクリップを渡してまとめ方を説明すると、潤さんはたどたどしい手付きで髪をまとめてくれた。

「これでいい?」

「うん、ありがとう」

潤さんは後ろから私を抱きしめて、髪を上げてあらわになった首筋にそっと口づけた。

その感触のくすぐったさに首をすくめると、潤さんは首筋から耳元へとゆっくり唇を這わせる。

「志織、こうしてると首筋がすごく色っぽい」

耳元で熱っぽい声で囁かれ、体の奥に眠る感覚が呼び覚まされるようにゾクゾクと震える。

「そんなこと……」

そんなことない、と言おうとした私の唇を唇でふさぎ、潤さんは大きな手で私の濡れた素肌を撫でる。

その手は脇腹の辺りから徐々に上の方へと私の体の曲線をゆっくりなぞり、胸のふくらみを包み込んだ。

< 894 / 1,001 >

この作品をシェア

pagetop