社内恋愛狂想曲
どうかおかしなものが出てきませんようにと祈りながら、目を閉じて一気に箱を開けた。

おそるおそるまぶたを開いて見ると、箱の中には上品なアイボリーのニットが入っていた。

良かった、変なものじゃない……!

よく考えたらこんな高級ブランドのショップに、人に見せられないような卑猥なものが売っているわけがないか。

ホッと胸を撫で下ろしながらニットを箱から出してみると、それはセーターではなくワンピースだった。

手に取って立ち上がり体にあてがってみると、ちょうど膝が隠れるくらいの丈で、ニットワンピースにありがちな胸を強調するようなピチピチ感はなく、女性らしいラインを損なわない程度にゆったりしている。

襟元に結ばれたタグにはカシミアのマークが入っていた。

私はこんな高級ブランドの服は買ったことがないけれど、その手触りの良さから、かなりお高いものであることがうかがえる。

ニットのワンピースには若くてかわいいスタイル抜群の女子が着るイメージがあったので、今まで着たことも買ったこともないけれど、これならアラサーの私でも臆することなく着られそうだ。

「見て、潤さん。素敵だと思わない?」

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