社内恋愛狂想曲
「気のせいじゃなくない……?どう見てもこれはメイドのコスプレ…………あっ……!」

ここに来てようやく、瀧内くんが「二人きりのときに開けて」と言った意図がわかった。

買い物に行くことになったとき、葉月は「めっちゃかわいい服選んで三島課長喜ばせたろ!」と言った。

つまりあれか、メイドのコスプレをして潤さんを喜ばせろと、そういうことか!

「潤さん……つかぬことをおうかがいしますが」

「はい……なんでしょうか……」

「潤さんって……メイド服が好きなの……?」

おそるおそる尋ねると、潤さんは目を見開いて、首がもげるんじゃないかと心配になるほど、何度も大きく首を横に振った。

「それはない、断じてない!」

「じゃあこれは……?」

私が真顔でメイド服もどきを指さすと、潤さんは慌てて私の両肩をつかむ。

「メイド服が好きだって言ったのは俺じゃないよ!俺はただ、デートのときにニットのワンピースを着て欲しいって……!」

「……言ったのね?」

「あ……いや、言ったような、言ってないような……」

潤さんは曖昧に言葉を濁して、また目を泳がせる。

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