社内恋愛狂想曲
「したら?」

「俺は純粋に、志織が着たらきっとかわいいだろうなと思って言っただけなのに、ニットのワンピースは胸が目立ってエロイとか、脱がせやすいのがいいとか誰かが言い出して……そんな意味じゃないって否定したけど、聞いてもらえなかった」

なるほど、潤さんは何気ない一言のせいで、部下たちから“好きな子のニットワンピース姿に欲情する男”認定をされてしまったわけだ。

「でも飲み会の1週間後くらいに店の前を通りかかったら、そのワンピースはなかったんだよなぁ……。もう売れたんだなと思ってたんだけど、一点物らしいし、もしかしたら玲司が取り置きしてたのかも……。あいつ、あの店の店長と友達だし、上客だから」

もし潤さんの憶測通りだとすると、瀧内くんは寒くなったら何かしらの理由を付けて私にこのニットのワンピースを着せ、潤さんとデートさせるつもりだったのかも知れない。

これが本当のことなら、どこまで先を見据えていたんだと思う。

「あと、“好きな子がエプロンして手料理を用意して出迎えてくれたら嬉しいだろうな”って言ったら、“男ならみんな憧れますよね!一度くらいはかわいい彼女に裸エプロンして欲しいっす!”って誰かが言い出して……それも否定したけど、やっぱり聞いてもらえなかった」

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