秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。

「嘘をついてすみません気になる女性を食事に誘うための口実でした。って言ったらわかっていただけます?」

「‥‥‥‥‥。」

海斗さんの言葉を理解するのに、たっぷり5秒はかかった。

口実─‥気になる女性‥?

「え‥‥ええっ?」

思わずお洒落なカフェに似つかわしくない声が漏れる。

慣れない事を言われて、カァッと顔が赤くなるのが自分でもわかった。

そ、そんな訳ないよ。
きっとからかわれてるんだ私。

「か、からかわないで下さい」

「からかってると思いますか?」

真剣な顔でそう言われて、頷けなかった。
今度こそ耳まで赤くなる。

お、落ち着け私。動揺しすぎてたら馬鹿みたいだって思われる。
きっとハイスペックな海斗さんにはなんてことない一言なのだ。
好きと言われた訳でもないのに、ここまで過剰反応するのはおかしい。

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