秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。

結局いろんな理由をつけて
黒川に迎えを頼んだ。

最上さんと別れてから、
車を呼んだ場所へと向かった。

近くのベンチに腰かけてからぼうっとしていると、
10分程度で車の近づく音が聞こえてきてハッとした。

やがてその黒塗りのそれは近くで停まり
扉が空いて、
出てきたのはもちろん黒川だ。


「今宵様、お迎えに上がりました」


そう言って黒川が心なしかいつもより
優しく微笑んだ。

私はいつものように黒川に微笑み返す事はなく、
そのままムスっとした顔でただ頷いて。

そのままゆっくりとベンチから立ち上がった。
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