秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。

俺の耳元で、若菜が小さくそう叫ぶ。

嘘、だろ。
…こんな事って。
若菜の発した言葉を理解するのに
少しかかった。

「若菜、今何て?」

「だから、私も…」

若菜がそこまで言いかけて、
顔を赤くして俯く。


…届いた。


「若菜」

「何?柊ちゃ…んんっ」

俯いていた若菜の顎に手をかけて、
頰に手を寄せて口付ける。

唇から漏れる若菜の今までに聞いた事のない声に理性が飛び、もっと深く口付けた。

最初は真っ赤になって固まったいた若菜も、やがてゆっくりと瞳を閉じ、応える。
ずっと届かないと思っていた。
これからも若菜の側に居るためには、秘めなければならない想いだとも。


ずっと、こうしていたかった。

触れる唇は想像していたよりもずっと柔らかくて、溶けそうで。


右手で若菜を抱きしめ左手を頰に添え、
何度も角度を変えて口付ける。

真っ赤になりながらも必死にキスを受けとめる若菜が愛しくて。

好きだよと囁くと、
若菜が私も、と無声音に口の動きで答えてコクンと頷いた。

愛しいその華奢な身体を抱きしめる。
まだ信じられない。夢じゃなくて、現実で若菜にこんな風に触れている事が。

目の前にいる大切な存在を確かめるように、若菜の頰に右手でそっと触れた。

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