理系教授の秘密は甘々のはじまり
"やっと一つになれた"

波実を抱いた真澄は、隣で眠る波実の頬を優しく撫でていた。

今日は本当に色々なことがあった。概ね真澄の計画通りに事は進んだが、思った以上に波実がモテるという事実に不安を覚えた。

D大学の高橋エロ教授に始まり、京都K大の坂本、波実の腕に触れやがった男二人組。

ちょっとでも目を離せば、男が寄ってきている。まあ、これだけ可愛いんだからしょうがないのだか、いままで彼氏がいなかったのが不思議でならないくらいだ。

波実の生い立ちを聞いて、男性不振になるのも無理はないと思ったが、真澄としては、これまで彼氏を作らない環境にいてくれた事は感謝でしかない。

外濠から埋めようと思って訊ねたN宮神社での願い事は、早急に叶った。さすが恋愛の神様だ。御守りの片割れも渡していることだし、このまま効果が継続してくれることを願うばかりだ。

波実の寝顔を見て真澄は微笑む。

「絶対に誰にも触らせない」

生きている以上そんなことは無理だというのに、真澄は本気でそんなことを考えていた。

翌朝、波実が目覚めたときにも、すでに真澄は起きていて、昨日まで喪女だった波実を何度も求めることになった。

波実は前日の疲れを引きずっていたにも関わらず、新たなダメージを負って東京に帰ることになった。

観光をする元気はもうない。駅の近くのアニメショップにだけ立ち寄り、真澄に、漫画と小説、ゲーム・アニメ関連グッズをたらふく購入してもらうと、新幹線に乗って東京へ帰還した。

「波実の家に寄ったら、俺のマンションに行くぞ」

東京に着いて、そのまま解散と思ったら大間違いだった。真澄は、波実のマンションまでついてくると、明日、研究室に着ていく服と必要なものをダンボールに詰めさせた。

そして、タクシーで真澄のマンションに向かう。

「学会中に着ていたものの洗濯とか,,,」

「そんなの俺のマンションですればいい」

甘々の真澄が引っ込んだと思うと、代わって強引な真澄がでてくる。

「波実」

玄関を入ると、荷物を片付けるのもそこそこに、真澄が波実を押し倒した。

「ま、真澄さん、私まだ,,,」

「逃げられると思うなよ。波実はもう、俺から離れられない」

無口な理系教授の秘密を知ってしまった。

彼の愛を受け入れたとき、彼の甘々攻撃は益々エスカレートしていくのでした。


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