七色ペンダント
総司は、周りの声すら聞こえないかのように、大島のいる部屋を見つめていた。
「総司、大島なら、きっと大丈夫だ」
「っ.........」
総司が大島の事を好いている事なんてわかる。斎藤も、平助も。こいつらだけじゃねぇ、ここにいる皆が、あいつの事を大切に思ってる気持ちは同じだ。
今にも泣き出しそうな総司がどれ程彼女を想っていたか、痛いほど伝わってきた。
「文っ.......死ぬなよ、絶対」
いつも無表情の斎藤ですら、不安を隠しきれないようだ。
暫く黙って部屋の前で待機していると、ゆっくりと襖が空いた。