+小悪魔恋愛2+


「あれ〜?純平くんたちまだいたんだぁ。お友達も一緒に」

「ほら、出て来ちゃったぞ?」



純平は一人で後ろを振り返った。

オレは紗香ちゃんの急な呼びかけに驚きつつも、柚に見つかることだけを恐れてキャップを深くかぶり直す。

そしてメガネを探そうとポケットの中をいじくり回して……

っていっても、どうせ柚にはすぐにオレだって気付かれるんだよな。



「おぅ!もうアガリ?」



純平が紗香ちゃんに歩み寄る。

そしてほんの少し二人で何かを話して、その後に紗香ちゃんが自分の後ろに視線を戻した。

するとそのすぐ後に、髪を高く上げた柚が出て来て…


ドクンッ……



「柚…」



3mほどの距離。

久しぶりに目が合った。



たった三日?

そうかもしれないけど、オレにしてみればやっと柚を手に入れられた時みたいに

それだけで満足してしまいそうな感覚だったんだ。



「……陸?」



瞬間的にいろんな思考が駆け巡った。

今どんなことを言えば、どんな仕草を見せれば

柚はオレのところに戻ってくれるんだろう。





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