+小悪魔恋愛2+
本当は、オレも柚もそんなに器用じゃないんだ。
相手の気を惹くような仕草をして、相手の心を揺らすような言葉を投げかけて。
計算とか裏のこととか、実際そんなすごいことじゃないんだよな。
素直に言えなくて、恥ずかしいから堂々と態度にも出せなくて
それがいつの間にか、相手を試すような行動になってしまって。
オレたちはいつもそうなんだ。
「行くのか?飲み会」
「ううん、今日は疲れたから寝る」
柚の表情を浮かべるたびに苦しくなる。
オレが何か言った方が良かったんじゃないか。
本当は行ってほしくないって、そう伝えれば良かったんじゃないかって。
今になってそんな後悔ばかり。
「どうせ誰から見たってお前らは好き同士なんだから。そんなに悩むなよ」
「うん…」
めずらしく純平の言葉で気持ちが楽になる。
そう、オレたちに足りないのは、素直さだけなんだ。