35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~
「これが気に入ってくれたのなら俺と結婚してくれるってことでいいな?」

「指輪がなくても結婚するってば。それにもうずっと前に『結婚するぞ』って貴くんが言ったんじゃない」

顔を上げて不満げな顔をしてみせると彼は笑った。

「そうだったな」

「そうだよ。で、あの時も私はちゃんと『はい』って返事をしたよ」

「わかってる。でも、もう一度言いたかったんだ。ちゃんと幸せにする。泣かせないようにするから。これからずっと果菜は俺のものだ」

「私も貴を幸せにする。一緒に幸せを作っていこう?」
「そうだな。じゃあまず、これにサインしてもらおうか」

ベッドサイドから取り出されたのは薄い紙きれ。

「もしかして」
「そう。婚姻届。早くサインしろよ。さっさと出そうぜ」

突然のことに頭が付いていかない。
今日?今から書くの?深夜だけど?

「どうして今日なの?」
「いやなのか?」

「イヤじゃない。でも、どうして今日なの?」
「んー、しいて言うならなんでもない日だからだな」

「何でもない日って?」
「どっちの誕生日でもクリスマスでもバレンタインでもなく何でもない日だから」

貴くんの言っていることがよくわからず首をかしげた。
< 143 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop