35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~
「果菜は入籍日にこだわりはなかったはずだけど?」
「うん、確かに前にそう言った」

「俺はこだわりがないと言えばないけど、あると言えばあるんだよ」

どういうこと?今日って何か記念日だったかな?
初めて出会った日?じゃないし、付き合い始めた日でもない、初めてキスした日じゃないだろうし・・・?
いや、待て待て。この人はそんなことを細かく覚えているようなオトコじゃないはずだ。
私だって細かく覚えてないんだから。

黙り込んだ私に貴くんがこらえきれなくなったように笑い出した。

「だから、何にもない日だって言ってるだろ。考えても無駄だから」
けらけらと楽しそうに笑っている。

「だったら何で今日なの?お日柄がいいとか?」

「新しく記念日を作るんだ。だから何も被らない何でもない日にしたいと思った。これからずっとこの日を祝っていくんだ。他の記念日と被ったらどっちのお祝いかわからなくなる。そうだろ?」

私をそっと抱き寄せて
「これから何年も何十年もずっと祝っていくんだ。二人で」
優しく囁いた。

そんな事を考えていてくれたんだ。

「ホントに貴斗が好き」
背中に回した腕に力を込める。

「じゃあ、さっさとサインしてくれ」
笑顔で身体がはがされた。
そっか、サイン、サイン。


< 144 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop