君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
「海外ではこれが普通だ。そんなに手持ち無沙汰なら、ここ」


彼は私の手を取り、自分の腕につかまらせた。


「離すなよ?」


私が手を離すより早く釘を刺され、引くに引けない。

恋人のような振る舞いにドギマギしながら東郷百貨店をあとにして、どこに向かうのかと思いきや映画館だった。


「なににする?」
「悠馬さんのお好きな作品で」


映画なんて久しぶり。おそらく哲也と別れる前に見て以来だ。


「そうだなぁ……」


彼はチラッと恋愛もののポスターに視線を送ってから、別の映画を指さした。


「このSFにしよう。怖いシーンがあったら抱きついていいから」
「そんなことしませんよ」


恋愛ものにしなかったのは、私に気を使ってくれたのかな。
もう恋はしたくないと思っている私に。

上映開始の時間になり室内の照明が落とされると、悠馬さんは私の手を不意に握る。

驚きチラッと彼を見つめると「怖くないぞ」とつぶやいた。
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