君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
「それにしたって、あの人、言い方が!」
「もともと常務は、俺のことが気に入らないんだ。だから秘書も突っかかってくる。北里にまでイヤな思いをさせて悪かったね」
「私はいいんです。でも、納得できません」


彼は冷静なのに、私の怒りが収まらない。

今の一ノ瀬さんの仕事ぶりを見たら、誰も文句なんてつけられないはずなのに。

会社に損害を与えてしまったかもしれないけれど、それを十分すぎるほど補填しているはずだし、きちんと取引再開にこぎつけているんだから。


「怒ってくれてうれしいよ。だけど俺、あの人たちに負けるつもりはないから。口だけ出してろくに仕事もしない。そんな人に会社を任せたくない」


凛とした表情でつぶやく彼は、ふと給湯室に視線を向ける。


「コーヒーのいい香りがする」
「あっ、今淹れますね」


一ノ瀬さんは笑顔でうなずき、私の肩をポンと叩いてからフロアに戻っていった。
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