君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
「伊佐治さんにはなんと言ったらいいのか。私を信じて任せてくださったのに、本当に申し訳ありませんでした」


直立不動から、深く腰を折る。
そしてしばらくそのまま頭を下げ続けた。


「たいした人だよ」
「えっ?」


顔を上げると、伊佐治さんが微笑んでいる。


「私はとっくにあきらめているのに、北里さんは粘った。これでうちの会社の名誉も守られる。ありがとう」
「いえっ、とんでもありません」


なじられることを前提で来たのに、お礼を言われるとは。


「だけど、もう次はないからね」
「次、といいますと……取引を続けてくださるんですか?」


切られる覚悟もあったのに。


「ヒヤヒヤはしたけど、北里さんがなんとかしてくれるとわかったからね。これほど熱心に売り込んできた商社は他にはなかったし、価格も品質も申し分なかった。我が社としてはありがたい取引なんだよ」


悠馬さんの言った通りだった。
挽回したことで、信頼を得たようだ。
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