君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
そうか。常務が一ノ瀬さんを目の敵にするのは、ライバルだからなんだ。


「阻止なんてできるの?」


だって一ノ瀬さんのお父さまは社長だよ?


「どうやら、社長になるつもりなら自身があえていばらの道を進み、社員の努力を見ておくべきだとかなんとか主張したらしいの。で、前身の津田紡績のトップは、工場で働くことから始めたなんて、明治時代の話まで持ち出したりね」


なんと、バカバカしい。
一ノ瀬さんを蹴落としたくて必死なんだ。


「常務って、そんな苦労人なの?」
「ぜーんぜん。取引先の建築会社から来た人なんだけど、円滑に取引をするためだけに呼ばれた人で、実力なんて皆無なんだって。自分がいばらの道を進みなさいよってね」


静香も怒りをあらわにする。
今の一ノ瀬さんを知る誰もが腹を立てるような話だった。


「でもね、一ノ瀬さん『その通りですね。わかりました』ってふたつ返事だったらしいよ。かっこよすぎでしょ」


男らしいというか潔いというか。
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