君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
『あの人たちに負けるつもりはない』と言い切った彼は、静かに闘志を燃やしているのかもしれない。


「私、すごい人に指導してもらってるんだね」


御曹司であることはもちろんわかっていたけれど、それよりそんなムチャクチャな要求をあっさり呑み、いちからコツコツ始めるような志の高い人に出会えたのは、一生の宝かもしれない。


「そうだね。常務が仕事ができないことは周知の事実だし、このままなら一ノ瀬さんがトップに立つでしょ。ミスはしたかもしれないけど、着実に実績を重ねているし、信頼も厚いもの」


私は静香の発言に大きくうなずき、再びハンバーグを食べ始めた。



翌日も一ノ瀬さんと同行だ。
今日は例の共堂製薬にアポイントがあり、運転がうまくない私は、彼の車に乗せてもらっている。


「一ノ瀬さん、昨日の話ですけど……」
「まだ気にしてるのか。大丈夫だよ」
「はい……」


それでも胸のもやもやが晴れない。
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