君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
もしかしたら、私のように一ノ瀬さんの仕事のやり方を知っている人でないと、その厳格さに目を白黒させるかもれない。

曽根部長ならごまかしがきいたような報告でも、おそらく一ノ瀬さんは通らない。

指導してもらっていた頃、報告書の最初の一文字から最後の句点まで、どこで質問が飛ぶかわからないような緊張感がいつもあった。


だからといって、『困る』とか『嫌だ』という感情を他の人に抱いてほしくない。

一ノ瀬さんは、成長したいと強く願う課員にとっては。最高の上司だからだ。


「結婚してるのかな」


結婚、か……。
独身でインドに渡ったけれど、その後は知らない。


「どうでしょう。日本にいらっしゃったときは、浮いた噂はありませんでしたけど。おモテになるのは間違いないですけどね」


さっきの人だかりがそれを証明している。


「そうだよなぁ。将来の社長候補なんだもんな」


どうやら御曹司だということはもう耳に入っているらしい。
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