君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
「北里」


すると悠馬さんが私を呼んでいる。


「はい」
「ありがとう」


わざわざ私に視線を合わせてお礼を言ってくれたのが、ちょっとうれしい。

彼は部下をねぎらうことを決して忘れない人で、誰にでもこうやって声をかけてくれるけれど、今日は格別にうれしかった。

キャシーさんの宣戦布告があったからなのかも。


その日。
定時を過ぎた頃にキャシーさんが悠馬さんを夕食に誘っているのが聞こえてしまい、書類を書きながら耳を傾けてしまった。


「悪いが先約があるんだ」
「センヤク?」
「もう約束してるってこと」


そんな話は聞いてないけど?

今日は休日にこしらえておいたハンバーグを焼こうと思っていたのに。
ちょっといびつな形のハンバーグを。

冷凍してあったものを今朝冷蔵庫に移したところを、悠馬さんも見ていたはずだ。


「食事に行く?」
「そう。ハンバーグを食べる約束なんだ」


それを聞き一気にテンションが上がる。
あのフェロモンに勝てた?
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