君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
あらかじめ結婚の挨拶に行くと電話で連絡してくれたものの、どうやらお父さまのほうから切られてしまったようだったからだ。


「緊張してる?」


ハンドルを握る彼はチラッと私を視界に入れて問いかける。


「はい」
「親父は堅物で。気分を害するようなことがあったらごめんな。でも、俺が守るから」


私は大きくうなずいた。

玄関に車を横付けすると、白髪交じりの初老の女性がすぐに出てきてドアを開けてくれる。


「いらっしゃいませ」
「久しぶりだね。葉月、お手伝いの坂井(さかい)さん。坂井さん、こちら北里葉月さんです」


悠馬さんの紹介に合わせ会釈すると、坂井さんはそれ以上の深さで頭を下げてくれる。


「ようこそおいでくださいました。お待ちしておりました。さ、こちらへ」


坂井さんは歓迎してくれているようで、とりあえずはひと安心。

洋風でお城のような大きな家の玄関に足を踏み入れると、大理石のフロアに緊張が高まる。
< 286 / 315 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop