君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
もし、悠馬さんが海外赴任ということになれば、ついていきたい。

もしかして彼は私に仕事を続けさせたくて単身で乗り込んでいくかもしれない。
だけど、私がイヤなのだ。

彼が社長のイスより私が大切と言ってくれたように、私も彼以上に大切なものなどない。

“仕事が恋人”だと思っていた頃の私からは考えられないような心の変化だった。
悠馬さんが私の意識を変えてくれた。


私が訴えてもお父さまはしばらくなにも言わない。
気に入らないのだろう。


「三カ月しか待たん。それでできなければあきらめなさい」


三カ月でお茶の作法をマスターか……。
仕事をしながらでは難しいかもしれないけれど、やるしかない。


「承知しました。時間をくださり、ありがとうございます」


私が会釈をすると、悠馬さんが苦しそうな顔を見せた。



一ノ瀬邸をあとにすると、悠馬さんは車を路肩に寄せ話しだす。


「葉月。あんな無茶を……。俺が説得するから心配しないで」
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