君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
「もしまだ無理そうなら断る——」
「間に合わせます」


約束の三ヶ月より半月ほど早いし、あと三週間しかない。
だけど着付けは大体できるようになってきたので、あとはお茶だ。


「無理してない?」
「少々無理してもクライアントの要望に応えるのが商社マンでしょ?」
「たしかに」


大丈夫。これを乗り越えれば悠馬さんと結婚できる。
そう考えれば、ちっとも苦ではなかった。



茶会当日は天気のいい土曜だった。

お父さまと悠馬さんは、朝からドバイからのお客さまが宿泊するホテルで、三谷商事のエネルギー事業部の担当者とともに仕事の打ち合わせに参加している。

その後昼食を済ませてから、とある趣のある神社の片隅に建てられている茶室に来てもらうことになっている。

私は昼頃から、悠馬さんが今日のために用意してくれた淡藤色の着物を纏い、準備万端。
家でも練習を積んだおかげが、着付けはうまくいったと思う。


ところが、待っている間に緊張が高まってきて、気分が悪くなってきてしまった。
ダメだ。気分転換しよう。
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