君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
そして軽く口角を上げたあと、「残念ですが、彼女は私のものですからあきらめてください」なんて言い返しているので、目が点になってしまった。

その様子をお父さまもうかがっている。
お父さまも英語が堪能な方なので、やり取りがわかっているはずだ。

まだ認められたわけではないのに『妻』なんて言ってしまって大丈夫なのかしら?

そんなことを考えてしまい、ドキドキしながら茶室へ案内した。


お父さまや悠馬さんがナセルさんと楽しそうに会話を交わしている。

しかし、私がお茶の準備を始めると全員口をつぐみ、手元に視線を送るので冷や汗が出てしまう。


大丈夫。あんなに練習してきたでしょ?
私は自分に言い聞かせてから、作業を続けた。


まずは茶わんや茶筅を温めるところから。
一度お湯を捨て布巾で拭きとる。

抹茶をたてるといえば、茶筅で攪拌するところしか思いつかなかったド素人の私が、こうして大切なお客さまの前でお茶をたてているなんて不思議だ。
< 303 / 315 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop