君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
だけど、こうした文化に触れることができたのは、ちょっぴり無理難題を課してきたお父さまのおかげだと思うようにしている。


それから、先生に散々注意された茶筅の動かし方に神経を集中させ、しっかりと手首を使い泡立てていく。
私は裏千家の作法を習ったので、泡がしっかり立つのが正解だ。

なんとか先生に合格をもらったようにはできて、まずはナセルさんの前に置いた。

すると彼は、悠馬さんにどうやって飲むのかを尋ねている。


「葉月、ここに座って教えて差し上げて」
「えっ?」
「実践するのが一番わかりやすいから」


悠馬さんはそう促すと、自分は立ち上がり、私と交代してしまう。

もてなす側が客側に座るなんてとは思ったものの、言葉で説明するよりやったほうがわかりやすい。

私はなにも入っていない茶碗を自分用に持ち、英語で説明を始めた。


「葉月さん、英語じょうずですね」


ナセルさんのほうが日本語を使うのがおかしい。

だけど簡単な言葉しかわからないようなので、お礼を言ってそのまま茶碗の回し方や、どうして回すのかなどを伝える。
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