君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
それからナセルさんは、抹茶の苦さに顔をしかめたものの、全部飲んでくれた。

そして私に「あなたのような素敵な女性に、日本の文化を教えてもらえてラッキーです」と英語でお礼を言われ、今までの苦労が吹き飛んだ。

大成功だったのだ。


どうやら私はナセルさんに気に入られてしまったらしく、ホテルまで見送りをしてほしいとまで言われ、用意されていたリムジンに乗って移動することになった。

その間、英語で会話が弾み、現在の石油市場についてや、ナセルさんの会社は今後、世界を相手にどう展開していくつもりなのかまで深く聞きだすことができた。

その上、ドバイにも来てほしいというお誘いまで受けて、恐縮しきり。

一ノ瀬邸に行ったときは、あんなに険しい顔をしていたお父さまも、今日は表情が柔らかい。


「ありがとうございました。またお会いできる日を心待ちにしております」


ホテルの玄関で頭を下げると、ナセルさんは私に近寄ってきて満面の笑みを浮かべている。
< 305 / 315 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop