君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
「そんなことを気にしてたの? わからないときはコースやお任せにして、苦手な物だけ伝えればいいんだよ。それを繰り返しているとこの時期の旬がなんなのかわかるようになってくる」


悠馬さんも最初はそうだったのかな。


「だけど、俺とふたりのときは好きな物を好きなように食べればいい。形式や常識なんてどうでもいいじゃないか。茶会のとき、客側の席に座ってナセルさんにお茶の飲み方を教えたら喜んでいただろ? 作法ではすべきではないことだって、おもてなしとしては正しかったんだよ」


なるほど。臨機応変ということか。
仕事でも大切なことだ。


「一ノ瀬家の嫁だから、社長の妻だからやってはいけないなんてことひとつもない。葉月は葉月らしく、俺と一緒に人生を歩いてほしい」
「はい」


そこに赤ワインが運ばれてきた。
おそらく私が甘めを好むことを知っている彼は、そういう銘柄にしてくれていると思う。

いつもそうしたさりげない気遣いがうれしい。
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