天才策士は一途な愛に跪く。
翌日の朝も雲一つない晴天だった。
「なんだろう・・。
ドイツに来てから雨女が解消されちゃったなぁ・・。」
呆然と、外の様子をバルコニーから眺めていた。
「残念だね・・。傘の出番なしだけど、色んな場所に出かけられるよ。」
そう言って、私の首に腕を回してきた聖人にドキッと胸が弾んだ。
「起きてるんだもん・・。せっかく、朝は目を見合わせてそれから・・。」
「だっ・・。だって!!
恥ずかしいし、あの、寝たのだって・・。4時過ぎだもの!!」
私は、裸に白いシャツ一枚しか羽織らずに前が開いた逞しい腹筋に真っ赤になっていた。
「離さないって言ったでしょ??有言実行しただけだよ。
おはよう、晶。」
こめかみに、キスを落とされた私はまた真っ赤になっていた。
「うっ・・。おはよう、聖人くん・・。」
甘い・・。
甘すぎる・・!!
ただでさえ、甘いマスクと整った顔なのにこんなに甘いだなんて・・。
朝から興奮して、鼻血が出そうだった。
昨夜は、家に戻って晩餐会の途中で何故か拉致されて
腰が砕けるまで口づけをされた。
そこからはもう・・。
なし崩し的に、あんなことや、こんなことや・・。
ああっ・・。もう恥ずかしい!!
何度も何度も求められた。
「白磁のような肌だね・・。」
から始まり、「全身が綺麗で、天上の女神のような瞳だね。」だの歯の浮く
セリフの連発に心臓がダメージを受けてしまった・・・。
「聖人くんて、ツンデレなのかな??」
「違うよ・・。晶にだけ、デレデレでしょ。」
「あはははっ。何、それ!!」
そう言って笑い合った。
「それよりも・・。
今日は忙しくなるんだからゆっくりお風呂行って温まっておいで。」
そう言って、私の肩に長いショールをかけた。
「えっ?忙しいって・・。」
「夜も忙しいからね。今夜も覚悟してくれてていいよ?」
そう言ってウインクすると、「また後でね。」と言い捨てて部屋から出て行った。
その数分後に、大勢の使用人たちが中へと押し込んで入ってきて
全身をピカピカに磨き上げられて、フェイシャルまで施される始末だった。
「・・な・・・。なんだこれ・・・。」
鏡に映し出された私の姿は、まるで花嫁のようだった。
ドラマで見たような長いシフォンと絹で出来たオートクチュールの
ウェディングドレスを身にまとい、赤い髪はゴージャスに巻かれて
ハーフアップにされていた。
首には、ロンドンブルートーパーズのネックレスと対になったイヤリングが嵌められる。